就労継続支援B型の
補助金・助成金一覧
|開設・設備投資・雇用・賃上げ
就労継続支援B型が使える補助金・助成金は、開設・改修、設備投資・運営、職員の雇用、賃上げ・処遇改善の4つの場面に分かれます。「国からの補助金」という単独の制度はなく、多くは中小企業向け・雇用関係の制度をB型事業所が要件を満たして使う形です。B型の収入の柱は訓練等給付費という報酬であり、補助金・助成金が関わるのは、開設・設備投資・職員の雇用・賃上げの4つの場面に限られます。
職員の雇用で使える助成金の多くで、B型の利用者は事業所と雇用契約を結ばないことを理由に対象外になります。名指しで除外しているのはJEEDの一部助成金だけで、他は要件を組み合わせた帰結です。設備投資の補助金では、法人格そのものが対象外になる制度もあります。
目次
就労継続支援B型で使える補助金・助成金一覧
就労継続支援B型が使える補助金・助成金は、開設、設備投資、雇用、賃上げの4つの場面に分かれます。
「就労継続支援b型 国からの補助金」と検索する人は多いですが、法律上この名称の給付はありません。この記事は、事業所の経営者が場面ごとに使える制度を確認するための一覧です。制度ごとに詳しい記事を用意しており、下の一覧表からたどれます。
なお、B型の収入の柱はここに挙げる補助金・助成金ではありません。障害者総合支援法第6条は自立支援給付を介護給付費・訓練等給付費などで構成すると定め、同法第28条第2項は就労継続支援を含むサービスに訓練等給付費を支給すると定めています。B型の収入は、利用実績に応じて市町村から支払われるこの訓練等給付費(報酬)です。ここで一覧にするのは、その報酬とは別に事業所が使える補助金・助成金です。
関連する記事を挙げます。
- 就労継続支援B型事業所の収支構造を分解する 訓練等給付費と生産活動収入の全体像
- B型事業所は「助成金目当て」なのか 収入の正体と補助金の位置
- 就労継続支援B型の報酬単価はどう決まるか 全区分の単位数表と地域区分ごとの単価
次の19本の記事を、使う場面・窓口・B型利用者(雇用契約なし)が対象になるかで一覧にしました(制度の記事14本・融資1本・横断の整理記事4本)。制度名のリンク先に、区分ごとの額や手続きの詳しい記事があります。
| 制度名 | 使う場面 | 窓口 | B型利用者(雇用契約なし) |
|---|---|---|---|
| 社会福祉施設等施設整備費補助金 | 開設・改修 | 都道府県・指定都市・中核市 | ―(設置者への補助で利用者は関係しない) |
| 福祉医療機構(WAM)の融資 | 開設(融資・補助金ではない) | 福祉医療機構(WAM) | ―(法人への融資で利用者は関係しない) |
| 中小企業省力化投資補助金 | 設備投資 | 中小企業基盤整備機構 | ×【帰結】従業員数に入らない |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 設備投資(ソフト・クラウド) | 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局 | ×【帰結】従業員数に入らない |
| 小規模事業者持続化補助金 | 設備投資・広報 | 商工会議所・商工会 | ×【帰結】従業員数に入らない(社会福祉法人は法人格で別に対象外) |
| 障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業 | 設備投資(ICT・介護ロボット) | 都道府県・指定都市・中核市 | ―(事業所単位の補助) |
| 業務改善助成金 | 設備投資+職員の賃上げ | 都道府県労働局 | ×【帰結】雇用保険被保険者が前提 |
| 法人格で変わるB型の補助金 | 法人格ごとの可否の比較(開設・設備投資を横断) | 制度により異なる | 記事で確認(制度により異なる) |
| 障害者雇用の助成金一覧 | 職員の雇用(一覧) | ハローワーク・労働局等 | ×【帰結】名指し除外はJEEDの一部助成金のみ |
| 障害者雇用の助成金は月いくらか | 職員の雇用(額の換算) | 制度による | ×【帰結】 |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 職員の雇用 | 労働局・ハローワーク | ×【帰結】 |
| キャリアアップ助成金 障害者正社員化コース | 職員の雇用 | 労働局・ハローワーク | ×【帰結】 |
| A型が利用者の雇用で使える助成金 | 利用者の雇用(A型のみ) | 制度による | ―(この記事はA型利用者の整理が主題) |
| 障害者トライアル雇用助成金 | 職員の雇用 | ハローワーク | ×【帰結】 |
| 人材開発支援助成金 | 職員の雇用(研修) | 労働局 | ×【帰結】 |
| 人材確保等支援助成金 | 職員の雇用(雇用管理制度) | 労働局 | ×【帰結】離職率の算定にも入らない |
| 障害者雇用納付金制度とJEEDの助成金 | 職員の雇用(納付金・調整金) | JEED(都道府県支部) | ×【帰結】雇用率にも算入されない(JEEDの一部助成金は【明記】で除外) |
| 賃上げ補助金と処遇改善加算はどう違うか | 賃上げ・処遇改善 | 都道府県 | ×【帰結】対象者は事業所に勤務する従事者(職員向けの制度) |
| 障害福祉事業所の物価高騰支援金 | 賃上げ・運営費(自治体独自) | 都道府県・市区町村 | ―(施設・事業所単位の定額) |
表の「B型利用者」欄は、一次情報が名指ししている場合を【明記】、要件を組み合わせた結論を【帰結】として区別しています。【帰結】は制度の一次情報がB型を直接除外しているわけではない、という意味です。
都道府県・市区町村独自の補助金は毎日更新されるため、最新の一覧は補助金・助成金を探すページで確認できます。
開設時に使える補助金
開設そのもの(建物の整備)に使える国の補助金は、社会福祉施設等施設整備費補助金がほぼ唯一で、採択は保証されません。
B型事業所は障害者総合支援法第5条に基づく「障害福祉サービス事業所等」にあたり、この補助金の対象施設に含まれます。費用負担は、原則として国が整備費の1/2、都道府県(指定都市・中核市を含む)が1/4を補助し、残る1/4が設置者の自己負担です。
| 負担者 | 割合 |
|---|---|
| 国 | 1/2 |
| 都道府県・指定都市・中核市 | 1/4 |
| 設置者の自己負担 | 1/4 |
ここでいう設置者は社会福祉法人だけではありません。厚生労働省の会議資料は、国庫補助の対象となる設置者を脚注で列挙しています。
- 社会福祉法人・医療法人・日本赤十字社
- 公益社団法人・公益財団法人・一般社団法人・一般財団法人・特例民法法人
- NPO法人・営利法人等
株式会社立のB型事業所も、この列挙に含まれる設置者になりえます。
自己負担分の資金調達には、独立行政法人福祉医療機構の融資制度を使えます。就労継続支援事業は同機構の融資対象に明記されており、借入の対象者は「法人」とされていて法人格の限定がありません。この補助金の交付を受ける整備事業は、融資率が通常の80%から85%に引き上げられます(2027年3月31日までの取扱)。
厚生労働省はこの補助金を「内示」という形で、毎年度、都道府県・指定都市・中核市に予算配分額を示す運用をしています。個々の事業者が国に直接申請する制度ではなく、都道府県(指定都市・中核市を含む)が窓口です。予算の範囲内で自治体が事業者の整備計画を取りまとめる仕組みのため、申請すれば必ず採択されるものではありません。
動き出す時期は開設の直前ではありません。厚生労働省の会議資料は、設置者が建設予定年度の前年度の早い時期に事業計画書を都道府県等に提出するとしています。都道府県から国への国庫補助協議は年度替わりの前後に行われ、内示が公表されたのは令和7年度が6月30日、令和8年度が7月2日でした。建物を建てる年度の1年以上前から自治体との相談が始まる、という時間の流れになります。
都道府県・市区町村が単独で行う開設補助は自治体ごとに制度が異なり、内容も日々更新されます。本記事では固有の制度名・金額は示さず、最新の一覧は補助金・助成金を探すページ(/hojokin/)で確認する形にとどめます。
関連する記事を挙げます。
- 就労継続支援B型は儲かるのか 開設判断に関わる収支全体の考え方
- 社会福祉施設等施設整備費補助金 協議の流れと対象になる整備区分
- 福祉医療機構の融資はB型開設に使えるか 融資率・利率・担保の条件
- 法人格で変わるB型の補助金 株式会社立・NPO法人立で使える制度の違い
補助金・助成金 申請前チェックシート
申請する前に済ませておかないと不支給や対象外になる手続を順に確かめる記入用シートです。GビズIDプライムの取得、交付決定前の発注の禁止、計画届の事前提出、労働保険の加入、賃上げ要件の確認、不支給要件までを並べています。
資料を見る →設備投資・運営で使える中小企業向け補助金
B型が使える設備投資の補助金は中小企業向け制度の枠組みで、法人格の時点で対象から外れるものもあります。
社会福祉法人だけでなく、NPO法人・株式会社立のB型事業所もあります。次の制度は、要件を満たした中小企業・小規模事業者としてB型事業所が申請する位置づけで、障害福祉のための専用制度ではありません。同じ「中小企業向け」でも、どの法人格を対象にするかは制度ごとに違います。
| 制度 | 実施主体 | 使える場面 | 締切の目安 |
|---|---|---|---|
| 業務改善助成金 | 厚生労働省(都道府県労働局) | 最低賃金引き上げとあわせた設備投資。車両はリフト付きなど8ナンバーの福祉車両に限る | 令和8年9月1日から交付申請受付開始。期限は地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い日 |
| 障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業 | 都道府県・指定都市・中核市 | 記録・請求システムや見守り機器の導入。補助率3/4 | 都道府県ごとに異なる |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 中小企業基盤整備機構 | 記録・請求システムやクラウド利用料の導入 | 1次締切 2026年8月25日 |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 中小企業基盤整備機構 | 人手不足に対応する設備投資 | 第8回は2026年9月中旬に申請受付開始・2026年10月中旬締切(いずれも予定) |
| ものづくり補助金 | 全国中小企業団体中央会 | 加工機・厨房設備など生産活動設備の導入 | 23次締切(2026年5月8日)で終了。次回未定 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 商工会議所・商工会 | 販路開拓の広報・ウェブサイト。社会福祉法人・医療法人・一般社団法人等は対象外 | 第20回は2026年11月5日受付開始・12月15日17時締切 |
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を50円以上引き上げることが要件です。令和8年度は50円・70円・90円の3コースに再編されました。額は30万円から600万円で、コースと引き上げる労働者数によって上限が変わります。補助率は、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業所で4/5、1,050円以上の事業所で3/4です。交付決定より前に導入した設備は対象外です。
車両を入れるときは範囲に注意が要ります。機械装置等購入費の対象から、令和8年度に特種用途自動車を除く自動車が外れました。特種用途自動車とはナンバープレートの車種を表す数字が8で始まる車両等を指し、リフト付き車両などの福祉車両が当たります。普通乗用車や一般的な送迎バンの購入は対象外です。締切も固定の1日ではありません。申請事業所の都道府県に適用される地域別最低賃金の発効日の前日か、同年11月30日のいずれか早い日が期限になります。
障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業は、この表のなかで唯一の障害福祉向けの制度です。補助率は3/4で、事業者の自己負担は原則1/4になります。基準額は事業所の種別と経費の区分で決まります。就労継続支援B型は「その他の事業所」の区分に当たります。介護ロボット等の導入は1事業所あたり120万円、ICTの導入支援は1事業所あたり100万円が上限です。両者を組み合わせるパッケージ型は1事業所あたり1,000万円になります。内示より前に購入した機器は対象になりません。
デジタル化・AI導入補助金は社会福祉法人・NPO法人も対象になりますが、注意が2つあります。1つは補助率の区分です。公募要領は、この2つの法人格を含む組織形態を「小規模事業者に該当しないものとする」と定めています。小規模事業者向けの上乗せは使えず、中小企業者の区分で申請することになります。もう1つは賃上げ要件です。社会福祉法に基づく社会福祉事業を行う事業者は適用除外で、就労継続支援B型はこの第二種社会福祉事業に当たります。ただし事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であることは、全事業者に共通する基本要件として残ります。
小規模事業者持続化補助金には壁が2つあります。1つは法人格です。公募要領は「補助対象にならない者」に社会福祉法人・医療法人・一般社団法人・一般財団法人などを名指ししています。NPO法人のような条件つきの適格ではなく、一律の除外です。もう1つは経費です。同じ公募要領は、補助対象外となる経費を例示しています。そこに「就労継続支援A型事業所・B型事業所など障害福祉サービス事業と重複する経費」が挙がっています。株式会社立で法人格の要件を満たしても、この重複にあたる経費は対象外になりえます。どの経費が重複に当たるかを示す例示は、公募要領・参考資料には見当たりません。
表の締切は本記事の制度基準日時点のものです。締切は制度ごとに変わり、公募が終了している時期もあります。
関連する記事を挙げます。
- 省力化投資補助金は障害福祉事業所で使えるか 対象になる法人格と省力化の考え方
- デジタル化・AI導入補助金で記録・請求ソフトは入れられるか 枠ごとの対象経費とハードウェアの扱い
- 小規模事業者持続化補助金はB型で使えるか 法人格の壁と対象外経費の線引き
- 障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業 都道府県ごとの補助率・上限・締切の見方
- 業務改善助成金はB型事業所で使えるか コース区分と引き上げ対象労働者の範囲
職員の雇用で使える助成金
B型の利用者を雇っても助成金は出ず、対象になるのは自法人の職員と、制度によってはA型の利用者です。
この線引きは、性質の異なる2つの一次情報を組み合わせた結論です。1つ目はB型の制度上の対象者です。B型の対象者は、次のいずれかに当たる人です。
- 企業等やA型での就労経験があり、年齢・体力面で雇用が困難になった者
- 50歳以上、または障害基礎年金1級受給者
- アセスメントで課題等の把握が行われている者
サービス内容は、雇用契約を結ばない通所の就労・生産活動支援です。
2つ目は雇用関係の助成金の要件です。特定求職者雇用開発助成金は「雇用保険一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れ、継続して雇用すること」が支給要件です。雇用保険の被保険者になるには、労働基準法上の労働者として雇用契約を結んでいる必要があります。B型の利用者は事業所と雇用契約を結ばないため、この要件を満たせません。
A型の利用者の扱いは、制度ごとに分かれます。A型の利用者は雇用契約に基づく労働者なので、雇用保険に加入していれば要件の入口は通ります。それでも支給要領やパンフレットなどの公式文書がA型の利用者を名指しで除外している制度があり、そこでは対象になりません。公式文書の明記による除外と、要件を満たせない結果としての対象外は、根拠の強さが違います。
特定求職者雇用開発助成金は、A型事業所が対象者を自らの利用者として雇い入れる場合も対象になりえます。ただし特則が置かれています。過去にこのコースの対象になったA型の利用者について、離職の状況を見る仕組みです。確認日を迎えた者が5人以上いて、その離職割合が25%を超えていると支給されません(支給要領0201ホ・ヘ)。
一方、次の助成金はA型の利用者を明示的に除外しています。
- トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)… A型事業所が対象者をA型の利用者として雇い入れる場合は対象事業主にならない
- キャリアアップ助成金の正社員化コース・障害者正社員化コース… 対象労働者の要件が「就労継続支援A型事業における利用者でないこと」
- 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)… A型の利用者は一般就労への移行に向けた訓練を受ける前提の者として対象外
- JEEDの職場適応援助者助成金・障害者雇用相談援助助成金… 支援対象障害者からA型の利用者を除外
いずれの制度でも、A型事業所が対象者を利用者としてではなく職員として雇う場合は、この除外に当たりません。B型事業所が自法人の職員をハローワーク経由で採用する場合も、通常どおり対象になりえます。ここでいう職員は、支援員やサービス管理責任者など、利用者ではない従業員のことです。キャリアアップ助成金の障害者正社員化コースの額は、障害の区分で分かれます。重度身体障害・重度知的障害・精神障害者を有期雇用から正規雇用に転換した場合は1人あたり120万円です。それ以外の障害者は90万円になります(いずれも中小企業の場合)。いずれも実施日前日までのキャリアアップ計画の提出が共通要件です。
| 雇用契約 | 雇用関係助成金の対象になりうるか | |
|---|---|---|
| B型の利用者 | 結ばない(工賃を受け取る利用契約) | ならない(雇用契約がなく、雇用を前提とする要件を満たせない) |
| A型の利用者 | 結ぶ(雇用契約に基づく労働者) | 制度による(特開金は離職率の特則つきで対象。トライアル雇用・キャリアアップの正社員化系・人材開発支援・JEEDは公式文書で名指しの除外) |
| B型事業所の職員(支援員等) | 結ぶ(通常の雇用契約) | なりうる(利用者ではなく従業員としての採用) |
このほか、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の助成金も別枠であります。障害者雇用納付金制度に基づく助成金で、対象は施設整備や介助等の措置だけではありません。職場適応援助者(ジョブコーチ)助成金と、外部の専門家による雇用管理支援を助成する障害者雇用相談援助助成金も同じ枠にあります。窓口はJEEDの都道府県支部で、工事や措置に着手する前の申請が原則です。
このうち作業施設設置等助成金と障害者福祉施設設置等助成金には、就労継続支援を名指しした除外があります。A型・B型の事業を行うために本来必要な施設・設備の整備は、支給の対象になりません。その事業の利用者を支給対象障害者として申請することもできません。利用者が使う部分と明確に区別できる措置に限り、障害のある職員は対象になりえます。
職員の採用に助成金を絡めるなら、採用の形を先に決めてから動き出すと整理しやすくなります。
正社員化を見込むならキャリアアップ助成金の対象になるため、転換を実施するより前に、キャリアアップ計画を提出しておく必要があります。
ハローワーク経由の採用を考えるなら、特定求職者雇用開発助成金の対象になりうるため、募集をハローワークに出すところから始めます。
どちらの助成金を狙うかで、採用活動の入り口そのものが変わります。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
雇用関係の助成金は、申請書の作成・提出代行や事務代理を報酬を得て業として行えるのが社会保険労務士に限られる業務です。
関連する記事を挙げます。
- B型事業所の職員採用 支援員の採用実務
- 障害者雇用の助成金一覧 制度ごとの対象者と金額の一覧
- 特定求職者雇用開発助成金はB型で使えるか 支給要件と離職率の特則
- キャリアアップ助成金 障害者正社員化コース 転換パターンごとの金額と事前手続
- A型が利用者の雇用で使える助成金 制度別に分かれるA型利用者の扱い
賃上げ・処遇改善で使える制度
処遇改善は補助金ではなく報酬の加算で、賃上げの時限補助金や物価高騰支援金は別の制度です。
厚生労働省のページの見出しは「福祉・介護職員の処遇改善に係る加算の概要」です。掲載されている資料名も、処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の概要など、一貫して「加算」という語を使っています。計画届・実績報告様式も別紙様式2〜5として、加算の様式に位置づけられています。
事業所が加算区分の要件を満たして届け出れば、サービス提供の対価である報酬に自動的に上乗せされます。申請して採択を待つ補助金とは違い、要件を満たしている限り毎回の報酬に含まれる仕組みです。区分ごとの要件や単位数の計算は、処遇改善加算の記事で詳しく扱っています。
ただし、賃上げの名が付く補助金がまったく無かったわけではありません。令和7年度補正予算で、障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金という時限の制度が置かれました。対象は令和7年12月から令和8年5月までの6か月分です。令和8年6月からの処遇改善加算の引き上げを待たずに賃上げを支援する、つなぎの緊急的対応として設計されました。実施主体は都道府県で、補助額は基準月の障害福祉サービス等総報酬にサービス区分ごとの交付率を掛けて算出します。就労継続支援B型の交付率は11.4%です。単年度の措置なので、継続を前提にできる制度ではありません。
これとは別に、都道府県・市区町村が独自に設計する物価高騰支援金もあります。財源は国の交付金ですが、対象施設や単価、申請期間は自治体ごとに違います。職員の賃上げに使える原資という意味では処遇改善加算と重なりますが、こちらは施設・事業所単位の定額で、単年度の公募です。
関連する記事を挙げます。
- 令和8年度の処遇改善加算 加算区分の要件と計算方法
- 賃上げ補助金と処遇改善加算はどう違うか 時限の補助金と報酬の加算の関係
- 障害福祉事業所の物価高騰支援金 都道府県ごとに違う額と締切の探し方
- 開設・改修
- 社会福祉施設等施設整備費補助金(原則国1/2・都道府県等1/4・設置者1/4)と福祉医療機構の融資。窓口は都道府県等で採択制
- 設備投資・運営
- 中小企業省力化投資補助金・デジタル化AI導入補助金2026・小規模事業者持続化補助金・介護テクノロジー導入支援事業・業務改善助成金。法人格で対象が割れる
- 職員の雇用
- 特定求職者雇用開発助成金・トライアル雇用助成金・キャリアアップ助成金など。B型利用者は対象外、事業所の職員と一部のA型利用者は対象になりうる
- 賃上げ・処遇改善
- 処遇改善加算(報酬の加算)、時限の障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金、自治体独自の物価高騰支援金
- B型利用者の扱い
- 雇用契約を結ばないため雇用関係の助成金は対象外。名指しの除外はJEEDの一部助成金のみで、他は要件を組み合わせた帰結
- 収入の正体
- 補助金ではなく障害者総合支援法上の訓練等給付費(報酬)。詳しくは「B型は助成金目当てなのか」の記事を参照
よくある質問
自分の地域には、
どれくらい利用者候補がいる?
所在地をもとに、周辺人口・障害福祉事業所数・紹介元になる相談支援事業所の数などを簡易集計します。これから開設する方には出せる場所と参入余地を、すでに運営している方には商圏内の競合と紹介元の分布を、目的にあわせて整理します。
その場でダウンロードできる資料ではありません。いただいた内容をもとに1件ずつ作成し、2〜3営業日以内にメールでお送りします。
